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個性を残すリノベーションの魅力

前回は住宅の歴史について触れましたが、今回は私が大切にしている
「個性的な昭和の戸建住宅を壊すのではなく、個性を残しながら性能を高めていく
リノベーション」についてお話しします。

個性的な住宅を整えていく際に注視しているのは、次のような点です。

  • ・外観を大きく解体しなくても成立するか

  • ・室内の間取り(間仕切りなど)がどこまで変更可能か

  • ・建物の構造に問題がないか

  • ・家全体のプロポーション

これらをさまざまな角度から検証し、物件の魅力を引き出すリノベーションを心がけています。
リノベーションというと「ガラリと変えてしまう」イメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし私が考えるリノベーションは、元の家の存在感をしっかり残し、個性を引き継いでいくものです。


中古住宅に惹かれたきっかけ

新築住宅よりも中古住宅に興味を持つようになったきっかけは、
学生時代の研修で訪れたアメリカ・サンフランシスコでの体験です。
滞在していた、1904年に建てられたサンフランシスコ市指定の歴史的建造物は
「築年数が経っているほど価値があり、大切に手入れされながら受け継がれていく住宅文化」そのものでした。
その家には年月を経たからこそ醸し出される風格があり、
日本ではなかなか見られない「古い家を尊重する暮らし方」に強く心を動かされました。
建築年:1904年/設計者:Herman Barth(ヘルマン・バルト)

もちろん、日本とアメリカでは住環境や地質は異なります。
しかし北海道にも、石造りの倉庫、レンガの家、ブロック造の住宅など、
歴史は浅くとも独自の趣を持つ建物が数多くあります。
そうした建物をリノベーションし、その個性を未来へつなげていくことは、とても大切だと考えております。
古い住宅を壊してしまえば、その家が持つ歴史や物語は失われてしまいます。
けれど適切に手を入れることで、次の世代へと住み継ぐことができるのです。

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